haja&Chi
イタリア ヴァイオリン チェロ 作家
永石勇人 清水ちひろ
展示スペースにて |
9月14日から一ヶ月続いたストラディヴァリ・フェスティバル。
新しくできたヴァイオリン博物館Museo del violinoを舞台に毎週コンサートやコンファレンスが行われました。
今までお役所、絵画館、制作学校にバラバラに展示してあったクレモナ市の弦楽器コレクションやトリエンナーレコンクール優勝者楽器などが一カ所に集まった新しい博物館です。
館内には展示スペース以外に音楽ホールアルベーディ音楽堂も作られました。
ホールが新設された建物は、私が制作学校としてこの建物に通っていた当時、『体育館』でした!?
音響設計は永田音響設計の豊田泰久さんによるものです。
ホールの高さを維持するため地上よりかなり掘り下げられた場所に舞台はあります。
天井や壁は元々あったものにお色直しが施され、新しいホールに馴染んだかたちで生まれ変わりました。
Duo concertante op.57 n.1 di Charles- Auguste de Beriot
Adagio, Fuga di Bach (Sonata n.1 per violino solo in Sol minore BWV1001) by Lena
Ciaccona di Bach (Partita n.2 per violin solo in Re minore BWV1004) by Anastasiya
Duo concertante op.57 n.3 di Charles- Auguste de Beriot
緊張の一曲目… |
毎年クレモナ市民が招待されるコンサートおオマッジョ・ア・クレモナでもポンキエッリ劇場にて二人で演奏し、それを聞いた劇場コーディネーターより今回のフェスティバルでの演奏依頼につながりました。
Anastasiya Petryshak |
『2本の楽器を前日のリハーサルで試奏し、2人で相談して最終的に演奏する楽器を決めました。ヴェスヴィウスは深くあたたかい音、スタッファーは艶のある澄んだ音が特徴的でした。』
シャルル=オーギュスト・ド・ベリオのコンチェルタンテは1番の一楽章が終わった時点で拍手喝采の素晴らしい演奏でした。
Lena Yokoyama |
デュオの間にはそれぞれソロ曲を披露し、締めは1番とはまた違った性格を持つベリオの3番を演奏。
コンサート中、観客もとても楽しかったようで、度々拍手喝采となりました。
『クラシックのコンサートだから堅くという事ではなく、素直に楽しんでいただけて嬉しいです』
大きな拍手に包まれ2度のアンコールに応えた二人。
一ヶ月に及ぶフェスティバルの締めくくりに相応しいコンサートでした。
今はヴァイオリンデュオ、ピアノデュオ、そこへチェロを加えたトリオに、ブリュッセルでのオーケストラ…クレモナではコーラス「コスタンツォ・ポルタ」が運営する子供達に楽器を教えるコースの先生もしている横山玲奈さん。
『8年目を迎えたイタリア生活。住み慣れた大好きな町クレモナ。クレモナでの活動はもちろんですが、活動範囲は狭めることなくこれからもイタリア以外の国にもコンサートで訪れたいです』
横山レナさん |
このインタビュー後、ミュージアムの展示楽器を維持する一環で定期的に楽器を弾く仕事に就任した横山さん。
今後も若き日本人ヴァイオリニストの活躍に期待です!
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