haja&Chi
イタリア ヴァイオリン チェロ 作家
永石勇人 清水ちひろ
ハイドンに始まる音楽の形式、弦楽四重奏。
これにちなんでヴァイオリン属にも四重奏なる物が存在します。
この度、四重奏を製作する機会を頂きましてストラディヴァリ・クアルテットにいたしました。知名度が高く王道であり基本でるストラディヴァリがゆえに、最も難しく手の抜けないモデルになります。
普通はヴァイオリン2本にヴィオラ1、チェロ1になります。
材料となるスプルース、メープルは基本、同じ木からとるのが通例で、4本いっしょに作業を進めて行きます。ニスもおなじ物を同じ時期に塗るのがポイントでカラーや雰囲気がにてきます。
音には特にその特徴がききとれます。
今回も隆起の形状や厚みの分布などヴァイオリン2本は同じにし、ヴィオラはチェロよりに調整。チェロは柔らかめの音にしました。
4本の音が綺麗に揃うのがいいという簡単な答えではありません。
それぞれの個性が活きて、お互いに競合していくのがいいのかなと思います。
4本一緒に成長し続けたらこれは大変嬉しい事です。
大事に使って頂きたいです。
2016年に製作完了し納品いたしました。数年後四重奏で聴ける機会があればその成長もみれるのでしょう。楽しみです。
ファースト・ヴァイオリン
ストラディヴァリのPパターンです。
若干細身のストラディヴァリ黄金期にも生産されていた形です。
ヘッドの黒ぶちはストラディヴァリ、グァルネリ、ベルゴンツィ、グァダニーニに見られるキャラクターで当時流行っていた装飾です。
柔らかい雰囲気のアマティ系の楽器から変化を経て、当時指板も黒檀ばり、ペグも黒く塗られるものも見られるようになります。楽器全体のカラーが赤や茶色+黒になっていきます。
裏板のメープルはスロベニア材です。
杢が強いのですが、重くなく扱いやすい材料でした。
Nagaishi Hajato(https://www.facebook.com/hajaandchi/)