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3.05.2015

イタリア、クレモナの地産地消 

haja&Chi
イタリア ヴァイオリン チェロ 作家
永石勇人 清水ちひろ

ゼロ キロメーター

 新しい工房から徒歩7分の距離にあるカフェ『キロメトロゼロ』(ゼロキロメーター)。

 ポー通りに面した大きなウィンドウがとても開放的なお店です。オーナーは落ち着いた雰囲気のご夫婦ルイスとジョヴァンナ。店内には地元の写真家、彫刻家、画家の作品が飾られています。




 「前は全然ちがう仕事をしていたんだよ」と、はにかむルイスの言葉にずっと気になっていたカフェテリアの二人にインタビューすることにしました。


 お店を開けたきっかけを尋ねると「たくさんの要因が重なってそうなったのだけれど…まず私が仕事を失ってしまったの」とジョヴァンナ。
彼女はずっと会計、簿記の仕事をしていました。しかしイタリアの不景気のあおりをうけ、突然の失業。
 途方にくれていた彼女は建築士のルイスととても居心地の良い、落ち着いた、可愛らしいカフェに入ります。
そこで何となく「クレモナにはこういう落ち着いた雰囲気のカフェはないよね。自分たちで作れたらいいのに。」と話したのが始まりだったとか。
それを機にルイスは建築士の仕事を辞め彼女と一緒にカフェを開くため、二人の人生の新たな目標のため動き始めます。



一緒に働いた経験もカフェテリアで働いた経験もなかった二人。
カフェに関する知識はスクールにてゼロから習得。
お店は以前パン屋さんだった店舗を全面改装。そのさい二人の今までの仕事がとても役に立ったそうです。
目指すは「まるで家にいるような空間」「自分たちが好きな場所」。

 このカフェの大きな特徴の一つにカフェと一緒に取り扱う商品へのこだわりがあります。

 お店にはエチオピア産とブラジル産の2種類のコーヒー豆と約19種のコーヒーのいれ方があります。
イタリアを代表するエスプレッソ、日本でおなじみのドリップコーヒー、サイフォン、エアロプレス・・・そして夏季限定の水出しコーヒなどなど。この水出しコーヒーは約12~16時間かけていれるそうです!?
コーヒーだけでなくスロージューサーを使ったミックスジュースも評判の一品です。
アペリティーヴォのおつまみにはvegan(ベーガン)セットなども用意してあります。


 店名の「キロメトロゼロ」は日本語で言う「地産地消」にあたります。地元の新鮮な野菜や果物を使って作るおつまみ、サラダ、パニーノ、ジュース。冷凍ではなく、地元のお菓子屋さんのクロワッサンやブリオッシュ。
 そして地ビールと地元近郊で作られるワイン。
地元経済への参加、発展、活性化。遠方からの運輸によるCO2問題などについて説明してくれました。これらの考えはジョヴァンナが子供の頃、両親が畑で作った野菜や果物を食べて育ったことが大きく影響しているとのこと。

 今でこそ街として発展しているクレモナですが、一昔前までは田舎の小さな町だったんですね。



 ポー通りの新しいカフェテリアは今日も安らぎを求める地元客でいっぱいです。







1.01.2015

いざコテキーノ!!

haja&Chi
イタリア ヴァイオリン・チェロ作家
永石勇人 清水ちひろ

Auguri!!

 クリスマスも過ぎ、日本の街はお正月の雰囲気に変わった頃でしょうか。

 今年のhaja&Chi工房では隣町に住む友人より町内のお肉屋さんによる良質な手作り”Cotechino”コテキーノを頂いたので早速調理してみました。
コテキーノ…豚の腸内に豚の皮、色んな部位をミンチにしたものを詰め込んだいわゆるサラミ状のものです。


こちらがコテキーノゆでる前です!

 この辺りですと“cotechino con lenticchie”『コテキーノとレンズ豆』と一つの料理名で呼ばれることが多く、レンズ豆の煮物と一緒に食べる習慣があります。
材料を見ると『豚の…豚のと何とヘヴィーな…』と思いますが、これだけをお腹いっぱい食べるのではなく、一回の食事にコテキーノは一切れなど加減して食べます。

 クレモナ周辺、北部イタリアではこの料理をお正月に食べる習慣があります。
もちろん、家族が勢揃いするクリスマスの時に一足先に食べる人も。
寒さの厳しい北イタリアには欠かせない代表的な肉料理なんですね。

 コテキーノはサイズにもよりますが水を張ったお鍋で約3~4時間、コトコト弱火でゆっくり煮ます。
いかにもイタリアマンマが用意しそうな長期戦料理です。
付け合わせのレンズ豆の煮物はにんじん、タマネギ、セロリのみじん切り、ニンニク、トマトにローズマリーを加え水分がなくなるまでこちらもゆっくり煮ます。


刻んだ野菜と見ずに浸したレンズ豆

 我が家ではこれに先日トレントにてプリモンより教えてもらった茹でキャベツ、さらにクリスマスカラーの緑と赤を食卓に添えるためプチトマトの低温オーブン焼きとゆでブロッコリーを用意しました。くるみレーズンパンとチョコバナナケーキは自家製です。


ゆであがったコテキーノとレンズ豆&ゆでキャベツ
火加減がちょうど良かったようで、フワフワのコテキーノを堪能…。
レンズ豆もローズマリーが効いていて香りが強く、イタリアの素朴な味でした。

サラミとチーズの町クレモナ。
冬に訪れる機会のある方はぜひコテキーノに挑戦してみてください♪


☆今年のクリスマスランチ☆


清水ちひろ

7.12.2013

ジェラート フロム クレモナ


haja&Chi
イタリア ヴァイオリン・チェロ作家
永石勇人 清水ちひろ

Gelateria Dolomiti






 クレモナでジェラテリアを訪ねられたら私は必ずここをおススメしています。
ここジェラテリア・ドロミティより美味しい手作りジェラートを食べられるところを知りません。

弦楽器職人の集うアゼッリ通りと町の中心を走るマッジーニ通りの角に位置するこのお店。
路面にはジェラートカウンターがあり、お店に入らなくても注文できます。
夏の夕方にはここにクレモナでは珍しい行列が出来る事もあるほどです。



 店の主人はステーファノ。
こちらに店を構えてはや20年。
以前は違う仕事をしていたそうですが、人生の酸いも甘いも経験し、ジェラートへの情熱からこの店を開きました。
仕事をしながら夜学へ通いジェラターイオ(ジェラート職人)になるべく努力したそうです。



 

 手作りジェラートへの彼の想いは強く、我々弦楽器制作者にも職人としての共通意識を持っているステーファノ。
彼のジェラートにはクリーム系とフルーツ系の2種類があります。
その二つを混ぜるジェラートも存在しますが、彼は混ぜる事によってフルーツの割合、絶対的な量が減る事を怪訝してあえて別々の味を作るよう心がけています。


「フルーツ系はフルーツポンチと一緒で、果物が活きていないといけない。」と彼は言います。
フルーツもジェラート大国イタリアでは、すでにきざまれて冷凍されパッキングしてあるものが出回っているそうですが、彼は新鮮なフルーツにこだわります。
フルーツに限らず、ジャム、シロップ、ナッツ類にチョコレートとどれも皆そのまま食べて美味しい上等な物を使います。
彼のクオリティーに対するこだわりのひとつです。





 バール奥にあるジェラートを作る工房では大きな冷凍庫が4つ、牛乳の低温殺菌機やジェラート練り機があります。
その昔、ジェラターイオ達は手でジェラートを混ぜ、その重労働ゆえに腰を患い、仕事として長く続ける事が難しかったと言います。
長くこの仕事を続けるためにもこれらの機材は欠かせません。

「食品衛生面と味。そのどちらか一つでも欠けてはいけないんだよ!」
彼はこうも言います。









 店内を改装して新しくなってはや数年。
彼の作るジェラートだけでなく、カフェはもちろん、夜になるとアペリティーヴォを楽しむ人でにぎわうお店。
夏にはアゼッリ通りに外席が並びます。








BAR DOLOMITI

Corso Giuseppe Mazzini, 36

26100 CREMONA (CR)



毎年、彼のアイディアにより新しい味のジェラートが店頭に並ぶドロミティ。
さて、今年はどんな新作が出来上がったのかな?


4.29.2013

イタリア焙煎・エスプレッソ ~バール≠カフェテリア~


haja&Chi
イタリア ヴァイオリン チェロ 作家
永石勇人 清水ちひろ








コーヒーの香り漂う
クレモナの隠れ家的カフェテリア

“ヴィットーリア”。






 私達が訪ねた時もぽつぽつとクレモナ人が来店しコーヒーを楽しんで賑わっていました。
 元々コーヒー豆の焙煎ショップから始まったこのお店。クレモナ商工会の公文書には1950年からその名前がありますが、始まりはそれ以前だったとも言われています。
数々のオーナーを経て、現代のオーナー、ジョヴァンニ・ピエトログランデのもと店舗の一部を建築士の兄弟とともに改装しカフェテリアスペースを作りました。




 






 スーパーへ行けばたくさんのメーカーのコーヒーが陳列してあります。そのほとんどはすでに煎って挽いてある粉状のものですが、コーヒー豆は焙煎してしまうと酸化がどんどん進んで、10日から15日くらいで味も香りも落ちてしまうとか。以外にも短い命です。



 この町の多くの人が毎日飲むコーヒーのはずなのにどんなものを口にしているか意外と知らない、とオーナーのジョバンニ。
コーヒーと一言に言っても煎り方、豆のブレンド、そして挽き方で大きく味も変わるし、時にはそれらのプロセスでコーヒーそのものをダメにしてしまうこともあると語ります。
彼は作り手の技量にその出来具合のほとんどがかかっているという直火焙煎を好みます。









 ブレンドする豆は世界各国から取り寄せているようで、コロンビア、コスタリカ、エチオピア、インド、ブラジル、インドネシア、グァテマラ…など様々です。
独自にブレンドし煎った豆はとても香ばしく、カフェテリアの中はコーヒーの香りでつつまれています。ここで以外な発見が・・・煎る前のコーヒー豆からは全く香りがしないのです・・・褐色にトーストされて初めてあの香りが生まれるようです。












 そういえば会話の中にたびたび出てくる「カフェテリア」という言葉。Barバールとはちょっとニュアンスが違うようですが…
「イタリアのコーヒー文化と言うと、立ち飲みで『グイッ!』と飲んでテーブルにコインを置いて去っていく。そんな感じでしょ?クレモナには大都市とは違う良さがある。昔はもっとみんなで一緒に働いて、イベントを企画してお祭りを催したりしていたんだ。このカフェテリアがそういう事を始めるキッカケの場になれると嬉しいよ」
みんなでコーヒーかこんで交流できる社交の空間=カフェテリアのアイディアです
こんな時代だからこそみんなで協力して町を盛り上げたい。彼のクレモナへの愛情が伝わってきます。











 レジの前の秤に張ったポスターも、地元の写真家とのコラボイベントのひとつでカフェテリアに写真家の作品を展示するそうです。他にも彼の頭のなかは考えている催し物でいっぱいです。










 今はまだここで焙煎されるコーヒー豆のほとんどはイタリア国内への販売だそうですがもしかしたら日本でお目にかかる日も来るかもしれません。


イタリアの若き経営者の熱意に触れた貴重な一日でした。







Chi(清水ちひろ) https://www.facebook.com/hajaandchi?ref=hl

3.24.2013

モッツィア〜モ ラ モッツァレラ!!

haja&Chi
イタリア ヴァイオリン チェロ 作家
永石勇人 清水ちひろ

Mozziamo la mozzarella!!

 クレモナ近郊に位置するStagno Lombardo(スターニョ・ロンバルド)にある酪農家、兼チーズ工房Cascina Lago Scuro(カシーナ・ラーゴ・スクーロ)を訪ねました。


市場に並ぶ自家製チーズ


 朝、8時30分にご主人が待つ市場で待ち合わせ。街中に直営店もあるのですが、週に2度クレモナの郊外にたつ市へチーズやパン、サラミ、小麦粉、ヨーグルト、卵などを持って来ています。全ての品の原材料は”ビオ”と呼ばれる有機栽培、有機飼育されたものであることがここの商品の特徴です。





 ご主人の車に揺られること10分、大きな酪農場に到着です。入ってすぐに私達を迎えてくれたのは中庭を占拠する約100羽の鶏でした。網が張ってあるのですが、そんなのお構いなしにあちこち行き交う鶏たち。
 息子のルカいわく『うちの鶏はどうやら飛ぶことを学んだらしい。』。

建物は古く1600〜1700年代のものだそうです。右にあるのはロゴにも使われている塔です。


 白衣と帽子、長靴を借りていざチーズ工房の中へ入ります。そこにはすでに凝乳酵素の入った生乳が大きな2つの鍋の中で温められていました。この鍋一つに約150リットル以上の生乳が入り、約30キロのチーズが出来上がるそうです。一つの鍋を満たすにはだいたい牛二頭から絞った生乳が必要だとか。今日はこの二つの鍋で温めたチーズのもとからモッツァレラとスカモルツァの2種類を作ることになりました。暖まった生乳を鍋の中で一度細かく切ります。
『トーフみたいでしょう?』とお父さん。それをさらに温め、チーズを伸ばす時に使うお湯、成形する時の水の準備もします。

 
愛嬌いっぱいの黒豚ちゃんたち

 チーズを再び温めている間、ルカに農場の中を案内をしてもらうことになりました。工房を出てすぐにいるのは珍しい黒豚モーロ・ロマニョーロです。昔はイタリアで30万頭以上飼育されていたそうですが現在ではその数もすっかり減りかなり貴重な品種になってしまいました。こちらの農場ではこの豚肉を使ってサラミやパンチェッタ、クラテッロを作ります。





サイズ、声、食欲どれをとっても大きな牛たち

 母屋にはレストランも併設してあり昔から家庭で作ってきた料理を自分たちの作った野菜やチーズ、ハムと一緒に提供しているそうです。地下にはカンティーナと呼ばれる食物倉庫があり、こちらでチーズやサラミの熟成をさせます。
 母屋脇には昔修道院として使われていた建物を利用したB&Bがあります。食堂には昔使っていた薪釜が今も残っています。
裏庭には畑が広がり、その奥にこちらの農場の名前の由来となる湖Lago Scuroがあります。ぐるりと回って工房手前にある牛舎では食事中の牛と遭遇しました。


カンティーナで熟成されるチーズたち…


~・~


このチーズはお父さんの顔の高さまで伸びます!
 
 再び工房に戻るとテーブルには釜から出したホカホカの二つの大きなチーズのもとが用意されています。酸味とチーズの伸び具合をお父さんとルカでチェックしたらチーズをスライスしていきます。

 切ったチーズのもとは木の桶の中で手で裂いて、93度のお湯を投入し木べらで伸ばしていきます。
「よいしょ!!」チーズはかなり重いです。



 



 そこでルカが『さぁ、この桶と木べらで混ぜてみて!』と急遽チーズ作りに参加することに!?


左からトーフ状のチーズ、モッツァレラ、紐でくくったスカモルツァです。


 充分に伸ばしたチーズを適量手でちぎり、水槽の中へ。それをベースボールくらいの大きさにちぎったら紐でくくり、棒に結べばスカモルツァの出来上がりです。一方のモッツァレラは二人掛かりで手でちぎっていきます。お父さんと姪ごさんが息を合わせて進めるこの作業、チーズの名前の由来はmozzare(モッツァーレ)『切り離す』という意味の動詞からです。
 一連の作業を終えるとちょうどお昼。お世話になった皆さんに挨拶し、市場で働く奥さんを迎えに行くお父さんの車に再び乗って市内へ帰ります。
 最後にお父さんより今日自分たちが一緒にちぎったモッツァレラとスカモルツァを頂きました。



市場にて皆さんと一緒に記念撮影


 とても貴重な体験をさせてもらいました。
 次はぜひ『クレモナサラミ』作りを見学したいと目論む我々です。

頂いたフレッシュスカモルツァと袋に入ったモッツァレラ&卵




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AZIENDA AGRICOLA BIOLOGICA LAGO SCURO
ラーゴ・スクーロ有機酪農場 


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