haja&Chi
イタリア ヴァイオリン チェロ 作家
永石勇人 清水ちひろ
Cello
続いてチェロ。B。
王道のストラディヴァリチェロは作っていても迷いの少ない作品です。
ストラディヴァリは慣れた形で、毎回といっていいほど厚みの分布にもトリックがしてあります。
実験をしています。
今回は川にかかるブリッジのストラクチャーを思い浮かべて、表板に駒を中心にXの字に強度をつけました。イメージとしては表板の上下に振動板が二つある感じでもあります。
もちろん、X字で分割された右と左のスペースにはf字が来るので必然的にこの部分は厚めに残します。。
結果的には重めで、スティフネスの低めの木でしたのでクセのある表板となりました。
湿度の高い地域用にあまり薄くせずに残しもしました。
小生は新しく作る楽器の作りは凛としているのが理想だと思っています。アマティやストラディヴァリにはその時代では最高の精度で製作しており、一つのフィロソフィーのもとに作られているのがみてとれます。今日評価が高いのもそのためではないでしょうか。
今の楽器作りがそれを捨ててしまってはあまりにももったいないような気がします。