haja&Chi
イタリア ヴァイオリン チェロ 作家
永石勇人 清水ちひろ
所謂、バロックヴァイオリンと呼ばれるものです。
それでも400年前の楽器をほぼそのまま改造してでも使っているのはヴァイオリンぐらいなもので楽器のなかではかなり珍しく、当時から”使えた”のは間違いありません。
実際のところ、音楽のバロックの時期は長いですからその中ですこしづつ変化して行くヴァイオリン属の楽器を全部ひっくるめてこのように呼ぶ慣習です。。
150年ぐらいつづいたバロック期には物流の変化すら関わっていたようです。
黒檀やスネークウッドと言ったエキゾティックな珍しい木材はバロック初期にはかなり少なく、ブラザーアマティのオリジナルのフィッティングにはツゲやナツメが使われていました。
バロック後期〜のグァダニーニの時代になると指板、ペグなど多くのパーツでまるまる黒檀が使われるようになっていきます。
もちろん巻き線が100%流通したためツゲより固い木が必要になったのかもしれません・・
17世紀後期ヴァイオリン バスバーは244mm、高さ10mm 流通しているガット弦に合わせて高めに設定 |
音楽シーンで際立ってきたバロック時代のヴァイオリンは今よりもう少し小さいものでした。弦長は320mm前後、箱の大きさも小さめのものが多く指板も今より短く、バスバーも短いものでした。
pollensの記事(2004): はずされたオールド名器のバスバーたち |
高さも7mm前後で今の10〜11mmに比べるとかなりひくく、弦のテンションとの兼ね合いで設定されたものと思われます。