1.05.2015

二人のマエストロ ルカ・プリモン シルビオ・レバッジ

haja&Chi
イタリア ヴァイオリン チェロ 作家
永石勇人 清水ちひろ

イタリアに移住してから多くのことを学んでいます。

 小生には楽器制作人生で大きな影響を与えた二人の職人がいます。
ルカ・プリモンとシルビオ・レバッジです。

 イタリアにはヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ製作を30年以上続けて人生を送っている人達がいます。本当のヴァイオリン職人です。
そして小生の尊敬する師もまたそのような仕事をしています。

 若いうちからイタリアにいる小生にとって技術的な楽器制作以上に考え方や人生観などの多くの面で影響を受けてきたと思います。
 職人の生き様のようなものでしょうか。

 ルカ・プリモンはミラノ学校時代の先生でありその後も一緒に仕事をさせてもらいました。
 彼の地元がトレントという土地柄もあるのか男気のある、芯のある、男惚れするような感じです。
 学生時代はマエストロとしてのオーラが強く、いつも眉間にしわをよせていたのを覚えています。彼の強い発言で学校をやめる生徒もいたぐらいですから・・
 400年前の工房システムを取り入れた校風はピラミッドがしっかり出来ており学ぶには最良の場所だったように思います。日本の職人に通ずるものもありルカ・プリモンのクラスの職人は今でも立派にヨーロッパ、アメリカで働いています。

 一方、インターンからお世話になっているシルビオ・レバッジは小生がその作風に惚れて門を叩きました。
シルビオはイメージにあるイタリア人とは正反対の話しべたで、今でも工房を訪ねても沈黙していることがあります。。
 

 働くようになってから日がたっても;
朝に二回”ブォンジョルノ” 午後3時に ”ブォンジョルノ”
夕方に ”ブォナセーラ”
一日に4語だけの日もままありました。。。
 実はメンタルはごくモダンで楽器でクラッシックへのこだわりはあるもののこの時代に師弟関係はないことを十二分に教えてくれました。”allievo”という語を避けていたのも彼なりの考えだったように思います。
 シルビオ・レバッジ工房はココより歩いて5分のところにありいまでも助言を聞きにいくことがあります。インターナショナルな楽器制作活動をしているからこそ今でも多くのものを見通しているように思います。言葉数は少ないですが・・・

 この二人に追い付くため、認められるため、超えるために製作家を続けているようなところもあります。
 人間性、仕事との向き合い方、技術が揃って初めて”師”と仰げるものですから、2人も持ち合わせた小生には多過ぎるような気もします。

楽器作家 永石勇人
https://www.facebook.com/hajaandchi?ref=hl

1.01.2015

いざコテキーノ!!

haja&Chi
イタリア ヴァイオリン・チェロ作家
永石勇人 清水ちひろ

Auguri!!

 クリスマスも過ぎ、日本の街はお正月の雰囲気に変わった頃でしょうか。

 今年のhaja&Chi工房では隣町に住む友人より町内のお肉屋さんによる良質な手作り”Cotechino”コテキーノを頂いたので早速調理してみました。
コテキーノ…豚の腸内に豚の皮、色んな部位をミンチにしたものを詰め込んだいわゆるサラミ状のものです。


こちらがコテキーノゆでる前です!

 この辺りですと“cotechino con lenticchie”『コテキーノとレンズ豆』と一つの料理名で呼ばれることが多く、レンズ豆の煮物と一緒に食べる習慣があります。
材料を見ると『豚の…豚のと何とヘヴィーな…』と思いますが、これだけをお腹いっぱい食べるのではなく、一回の食事にコテキーノは一切れなど加減して食べます。

 クレモナ周辺、北部イタリアではこの料理をお正月に食べる習慣があります。
もちろん、家族が勢揃いするクリスマスの時に一足先に食べる人も。
寒さの厳しい北イタリアには欠かせない代表的な肉料理なんですね。

 コテキーノはサイズにもよりますが水を張ったお鍋で約3~4時間、コトコト弱火でゆっくり煮ます。
いかにもイタリアマンマが用意しそうな長期戦料理です。
付け合わせのレンズ豆の煮物はにんじん、タマネギ、セロリのみじん切り、ニンニク、トマトにローズマリーを加え水分がなくなるまでこちらもゆっくり煮ます。


刻んだ野菜と見ずに浸したレンズ豆

 我が家ではこれに先日トレントにてプリモンより教えてもらった茹でキャベツ、さらにクリスマスカラーの緑と赤を食卓に添えるためプチトマトの低温オーブン焼きとゆでブロッコリーを用意しました。くるみレーズンパンとチョコバナナケーキは自家製です。


ゆであがったコテキーノとレンズ豆&ゆでキャベツ
火加減がちょうど良かったようで、フワフワのコテキーノを堪能…。
レンズ豆もローズマリーが効いていて香りが強く、イタリアの素朴な味でした。

サラミとチーズの町クレモナ。
冬に訪れる機会のある方はぜひコテキーノに挑戦してみてください♪


☆今年のクリスマスランチ☆


清水ちひろ